2013年1月11日金曜日

冬のミュージアム、アートの森へ

 
 北国で育ったくせに、寒い冬が苦手です。朝は特に、このまま冬眠してしまいたい…なんて思う毎日。そんな朝は、ローズマリーグレープフルーツといった、心身ともにスッキリとさせてくれる香りで元気を出すようにしています。
  
 気持ちよく晴れた冬の日。昨年より心待ちにしていた『フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活』に、開催初日の朝一番に出掛けてきました。
 
 冬が長いことで有名なフィンランドは、私の故郷と通じるところがある気がします。雪に覆われ、暗く長い季節を乗り越えるための人々の暮らしと知恵。シンプルで嫌みのないモダンなデザインも好きで、いつの間にか自宅に色々とカップやお皿、インテリアグッズなどが増えてしまいました。

 日本語と英語で流れる開館の案内を聞きながら、エントランスでチケットを購入していると、何やら雰囲気のある可愛いログハウスが。覗くと・・・ムーミンたちが暮らす森の家』があり、思わずパチリ。わくわくしながら、会場の3階へ上がりました。



 綺麗なテキスタイルに出迎えられ、フィンランド画家の風景画や、トーベ・ヤンソンさんの『ムーミン』の美しい原画を観賞しながら歩くと、北欧の人々の厳しい冬を受け入れ四季を楽しもうという精神が、ひしひしと伝わってきました。
 フィンランドの正式名称はスオミ共和国。「スオミ」とは、「湖沼」。国土の70%が森林のこの国では、人が自然を管理するのではなく、自然によって人が育てられている…という説明に、深く共感。
 自然に対する畏怖の念
 デジタル化が進み、電波ボケしている今の私たちが取り戻さなくてはいけない、大切な感覚だと思います。行きつ戻りつ往復して何度も心の中で復唱しながら、しっかりと胸に刻みました。

 美術館、というと絵画や彫刻を思い浮かべますが、椅子やタペストリー、ドレスの展示などもあり盛りだくさん!人気のマリメッコのテキスタイルやアラビアの食器、照明…まるでお洒落なインテリアショップにいるよう。吹き抜けの明るい空間にセンス良くディスプレイされた、北欧モダンアートを満喫しました。


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 『ハンネス、列車の旅』という映画があります。(ご存知の方、どのくらいいるのかな…?)
 以前スタッフとして関わっていた神戸の映画サークルで、私が気に入り上映していただいた思い出の作品なのですが、ドイツ人の主人公が列車に乗りヘルシンキまで旅をしながら色々な出逢いをします。現在のように北欧がクローズアップされるずっと以前の映画ですが、全編を通して映像の中に流れる、しん、と澄んだ空気感。今の季節にぴったりの大好きな作品です。

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 芸術を楽しんだあとは、館内にあるカフェでランチ。フィンランドフェアのスーププレートは、ほっこりと温かく、やさしい味がしました。

 やっぱりミュージアム散策は楽しい♪ 今年はたくさんの素敵なアートに巡り会えそうな予感…楽しみです!

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フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活』展
2013年1月10日(木)- 3月10日(日)

開館時間:午前10時~午後6時(金・土曜日は午後8時まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日(ただし1月14日、2月11日は開館、翌1月15日、2月12日は休館)