2015年12月28日月曜日

Happy Holidays 2015

 
 子どもの頃、「スヌーピー」が苦手でした。
 絵は可愛いけど登場人物が皆個性的で、内容もオトナっぽい。
 基本横向きなのに、正面を向いたら上を向いて叫んでいるのも不思議で(笑)「よく分からない」とずっと感じていました。

 それなのに。
 何だか無性に懐かしくなり、冬休みに入った娘と一緒に映画を観に行きました。
 今年のクリスマスBGMのメインが、スヌーピーのものだったから?


  平面的な世界から飛び出してきたキャラクターたちは愛らしく、ストーリーも楽しくて大満足。
 「おもしろかったね!」と娘。
 親子で驚いたのは、映画に出てきたピアノが、おうちのものとそっくりだったこと。

 「Remember, it's courage to continue that counts!」

 チャーリーを励ますライナスの言葉が、自分を励ましてくれているような気がして、嬉しくなる。

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 今年も残すところ僅かとなりました。
 レッスン・イベントにご参加くださった皆さま、お仕事をご一緒させていただいた皆さま 本当にありがとうございました。素敵なご縁に、心から感謝いたします。
 そして今も変わらない付き合いをしてくれる友人たち、支えてくれる家族に 感謝の言葉を。いつもありがとう。

 香りの世界は色々な側面があり、悩んだり、立ち止まったりすることもありますが
 自分らしさを大切に、少しずつ 前に進んでいけたらと思っています。
 
 
〜Happy Holidays〜

どうぞ、よいお年をお迎えください
 

2015年12月24日木曜日

香りのじかん「冬仕度」〜北の椅子と時の香り〜

雨上がり、ゆっくりと冬の足音が聴こえてくるような年の瀬。


 クリスマス前、冬休みに入る前に「冬仕度」を。
 兵庫区にあるあたたかなカフェ「北の椅子と」さんにて香りのイベントを行いました。


 この日はちょうど、冬至。
 yuicaアイテムは、ほのかに香る柚子と一緒にディスプレイ。


 店内には、北欧の長く暗い冬を愉しむための美しいランプたち。
 ひとつ、ふたつと灯すことで、心にもスローな時間が流れていくよう。


 大切にされたヴィンテージ家具や食器に囲まれていると、時が経つのを忘れます。
 使い捨てが当たり前になっている日本で、メンテナンスされ受け継がれる北欧のものたちの、深い息吹が聴こえてくる。


 国産杉の間伐材を用いて作られたアロマスティック。
 小振りですが、さりげない佇まいがいい味を出していて、今回のイベントに採用しました。
 森林を手入れする=「間伐」することで得られた材は「間伐材」と呼ばれ、有効活用していくことで豊かな森林が育まれます。
 森林面積率(国土に対しての森林の割合)は、北欧フィンランド、スウェーデンに次いで3位の日本。
 国土の67%が森林で、豊かな水も綺麗な空気も生み出す自然がこんなに身近にありながら、そのことに感謝する意識がどんどん減っているように感じます。
 

 あれこれと準備をしていると、ワークテーブルに淹れたてのコーヒーが置かれていました。湯気と共にあがってくる、芳ばしい香り…お気に入りの本を眺めながら、お伝えしたいことをまとめます。

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 お馴染み「森のディフューザー」も、12月はクリスマス仕様に。ユーカリ・モミ・ジュニパーの「香る木々たち」で作った簡単なリースでアレンジしました。


 「リードディフューザー」は火や電気などの熱源が不要な、安心でエコなアイテム。
 ナチュラルなものは意外に少なくて、自分好みのものを見つけるのは結構大変。
 価格もさまざまですが、デザインと質がよいものにはちょっと手が出せないことも。
 
 そのようなことも踏まえ今回のイベントでは、Aromerrierがセレクトした国内外 たくさんの上質な精油の中から、出来るだけ自由な感性で、じっくりブレンドを考えていただきました。


 いちばんの人気は、クリスマスの時節柄か、樅(モミ)系の香りでした。 
 「北海道モミ」と呼ばれるトドマツのどっしりした深い香りと、飛騨高山産モミのフルーティーで軽やかな香り。
 他に北海道産の「ハッカ」や「ラベンダー」、高知産の「ショウガ」、奈良産の「こうやまき」など。
 身の周りに自生し繁殖・栽培されていたり、寺院の建造に使用されていたりする香りたち。
 国産の精油は日本人の私たちに嫌みなく、すぅっと馴染む香りがとても多いのです。

 懐かしい、何処かで嗅いだ憶えのある…
 奥深くしまい込み、忘れたと思っていた記憶がよみがえってくる。
 「あぁ、そうだ、あのとき」

 それはもしかしたら、幼い頃の自分かもしれないし、この土地のDNAを引き継いだ者としての感覚かもしれない。
 時間も空間も飛び越えて、今の自分を救い、慈しむためのチカラをくれる。
 そんなとっておきの香りとの出逢いを、心から愉しんでいただきたいと思います。

 
 生後6ヶ月から来てくださっている、かわいい生徒さん。
 目をキラキラさせて、色々なものを触ったり、投げたりして遊ぶ姿。
 もうしっかりと歩く様子に、流れる時を感じます。


ご自宅に置かれる場所を考慮しながら、プレゼントされる方をイメージしながら。
それぞれの目的に添った香りを、効能から、直感からゆっくりセレクト。
勿論、ご質問への回答やアドバイスが必要な際はしっかりサポートさせていただきましたが、イベントの主役は参加者の方々。私は見守り役です。


どの方も、素晴らしい冬ブレンドが完成。
この小さなアイテムが、「冬を愉しむ」相棒となりますよう。

ご参加いただいた皆さま、お時間をつくりお越しいただき本当にありがとうございました。
またお目にかかれる日を、心から楽しみにしています。


〜 Merry Christmas 〜
素敵なクリスマスを



2015年12月8日火曜日

冬支度の愉しみ方#2 〜北からの便りと香り〜

 寒かったり、暖かかったり、行きつ戻りつの今年の冬。
 体調を崩しがちな時節には、自然がくれる「香りの力」を欲することが多い。


 先日実家から届いた、信州りんごの大きな箱。
 毎年、秋が深まるころ送られてくるその箱を開けた瞬間
 「うわ〜いいにおい!」
 ふぅわり立ちのぼる、甘くやさしい香り。
 自然の恵みと家族の愛情を感じる、特別なひととき。
 
 別便で「ナチュラルスイーツぽんぽん」さんの焼き菓子が届く。
 素材にこだわり手作りされたスイーツは、子どもたちも大好き。
 シナモン・クローブ・八角…スパイスがぎゅっと詰まった「ホットワインの素」は週末の夜、りんごと一緒にオーガニックワインで煮詰めよう。
 ぽかぽか、カラダの芯まであったまるだろうなぁ〜

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 バタバタすることの多い師走は、こんな風に、意識してほっとできる時間を作るようにしています。
 休みの朝は、いつもより丁寧にコーヒーを淹れて香りを愉しむ。
 愛用の「エッグベーカー」で、じっくり卵を焼く。
 半熟かな?まだかな?もうちょっと…


 何年も前、島根に旅行した際に連れ帰ったエッグベーカーは『nid』という雑誌に窯元が紹介されていたのがきっかけで、直接買い付けてきた想い出の品。
 一面が雪景色の、湯けむりが立つ、美しい出雲で出逢った器たち。

 セレクトショップで見かける出西釜(しゅっさいがま)も素敵ですが、私は「湯町窯」独特の、温かな色あいと素朴さが好きです。

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 次回のイベントで使用する香りに、北海道の香りを取り寄せました。
 極寒の北国から届いたトドマツ(北海道モミ)精油と白樺ウォーター。
 勿論、飛騨高山の上質な香りたちも。愉しみにしていてくださいね。


完成したリースと一緒にキャンドルを灯すと、蜜蝋が溶ける匂い。
ゆっくりゆらめく炎で、一気にクリスマス気分。


 剪定ばさみで枝を取るたび、匂いたつ木々たちの香り。
 部屋中が森になる 手で作るからこそ味わえる
特別な空気、とっておきの時間。

大切にしたい「冬を愉しむ」豊かな時間。
皆さんはどんな風ですか?



2015年12月1日火曜日

冬支度の愉しみ方〜森のアート、森の香り〜



 12月に入りました。 
 日本ではハロウィンの翌日にクリスマスデコレーションがお目見えするのが当たり前になっていますが、私の中でクリスマスは感謝祭(サンクスギビング)が終了してから。


 師走に入ると気ぜわしくなるので、我が家では一ヶ月前となる休日に子どもたちとツリーを出し、飾り付けをします。
 ずっと聴くのをガマンしていた(笑)クリスマスアルバムも、アドベントに入る頃ようやく解禁。

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 冬の入り口。
 過ぎ行く秋を惜しむ気持ちで「神戸市立森林植物園」へ。
 街から数十分の別世界にはクロモジやロウバイなど、香りの木々がそこここに。


 今回は仲良しのアーティスト「マキコムズ」さんの作品に出逢うことも出来ました。
 クリスマスのコスチュームをまとった愛らしい動物に、子どもも私も大興奮!


 不思議の国に迷い込んだ気分。
 森の中に突然、当たり前のように現れる素敵なアート作品たち。
 なんて夢があるのでしょう。


 寒い冬は正直、得意ではありませんが
 ホリディシーズンを迎えるこの時季は特別。


 毛布やセーターを出し、色付いた紅葉や大きなモミの木に目を奪われる。
 クリスマスカードを(年賀状も)用意して、大切な人たちを想い冬仕度をする。
 内へ内へと向かう季節だからこそ、感受性がより豊かになるような気がします。


 今年のリースの材料になるかな?そんなことを考えながらドングリや松ぼっくりを拾う。お花屋さんで購入するものもありますが、直接調達した諸々を合わせて作るクリスマスアイテムは特別なものになります。


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 秋〜冬にかけディフューザーを手作りする際選ぶ香りは、しんと沁み入る樹木精油。
 静かに、でもしっかりと其処に在る 確かな香り。
 北風に負けない気持ちをくれる、柑橘精油も欠かせない。
 頑張ったご褒美に、ちょっと贅沢な花精油で気分を高めることも忘れずに…


 ディフューザーは色々な場所で気軽に購入できるようになりましたが
 好みや用途に応じて香りをブレンドし創り上げます。

 自らの手を使い、手間をかける程愛おしく、毎日をぐんと豊かにする。
 ただ モノを買い消費するだけではない、日々の暮らしの愉しみ方。
 
 今年最後のイベントは、そんなことをお伝えできればと思っています。


 「冬を愉しむリードディフューザー」
 詳細は Aromerrier Event Page にてご覧ください



2015年10月23日金曜日

秋の富良野・旭川旅行

季節を感じる一番の花は、金木犀のそれだと思う。
甘く芳しく、懐かしくてたまらない香り。


すっきり晴れた朝、娘を自転車の後ろに乗せて走る。
「いい匂い!」と私が言うと「うん、のりのにおい」
…糊?
子どもの感覚は面白く正直で、何だかするどい。
すっかり高くなった空を見上げながら、秋の風をいっぱいに感じるしあわせ。
大好きな季節の到来!

子どもたちの運動会も無事終了し、また諸々の用事に追われ、気が付けばもう10月。
やっとblogを更新する時間が取れました。(すみません…)

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少し前の話になりますが、連休を利用して、北海道に旅行をしました。
神戸港からベイ・シャトルに乗って関西国際空港へ。


あっという間に雲の上。
久し振りの飛行機に、ちょっぴり海外旅行の気分。


旅の目的は、「大自然を満喫する」。
生まれて初めての北海道。

新千歳空港へ降り立ち、いざ富良野へ。
目的地までの距離を確かめようとすると、カーナビのアナウンスが「道なり43キロです。」
…!!!
日本といえど、やっぱりスケールが違う。

小雨が降る中、宿泊先のホテルに到着した時は、もう真っ暗。
明日の天気を心配しながらチェックインしたお部屋には、かわいいてるてる坊主が。


テーブルに「滞在がお天気に恵まれた、素晴らしいものとなりますよう」のメッセージ。
おもてなしって、こういうことを言うのだろうな。

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翌朝は、いいお天気。

レストランから見える景色に誘われて
朝食後、広場のようなお庭を散策。


目を見張る、エキナセアの大群。
ネームプレートも何もなく、足を止めて見るのは私ぐらいだったけど。


季節柄、ラベンダーはさすがにありませんでしたが
朝もやの中に静かに佇む、白樺並木の美しさ。
子どもたちも、普段見慣れた木々とは違う、幻想的な風景に圧倒されたよう。
手で触れると、さらりとしたやさしい感触。
空高く伸びた枝を見上げながら寄りかかり、その生命力を少し分けてもらう。



 「ねぇねぇ、ママ、きのこがあるよ〜」
キノコ?
見ると、本当にきのこ。そうか、木の子、だもんね…
私は上ばかり見て、足下にある小さな存在に気が付かなかったのに
当たり前のように見つけた4歳の視線に、ちょっぴり感動。


青空のもと、さあ出発!



空気がカラッとしているせいか、陽射しがきつい。
でもこの風景は、ここでしか味わえないもの。
時折車のウィンドウを開け、北海道の空気を味わう。


到着先は、旭山動物園。
連休中日のこの日は人がいっぱい。
行列にひるみながらも、空いてそうなところから無理せず見て回ることに。


来たきた、しろくまさん!
大きな水槽に、ざっぶ〜んとダイビングする姿もばっちり見れて、大満足。


土地柄、ミルクが抜群に美味しい。
綺麗な白樺広場を眺めながらジャージーソフトクリームで乾杯。



翌朝、宿泊先周辺をまたお散歩しました。
観光スポットを色々回るより、のんびり自然を肌で感じる方が、うんと愉しい。


森の精霊たちが、するりと舞い降りてきそうな富良野。
冬には深い雪に覆われるこの土地だからこそ、
美しい木々たちが蒼蒼とした葉から、澄んだ空気と眩しい光を届けてくれるのでしょう。


素敵なひとときを、ありがとう
きっとまた、来るからね。

〜おまけ〜
富良野といえば…


ホテルのお土産コーナーで見つけた「ファーム富田」のラベンダー精油。
からりと乾いた土壌が生み出す、すっきりしたやわらかな香り。
国産精油は、やっぱり最高。


2015年9月8日火曜日

病とは、香りとは 「第22回専門セミナー〜アロマテラピーと一次予防を考える〜」


9月に入り、新学期がスタート。
夏休み気分を引きずりつつも、気持ちを引き締めて「AEAJ専門セミナー」へ。


今年のテーマは、「アロマテラピーと一次予防を考える〜うつとアロマテラピー〜」。
医学部、医療保険学部の教授陣から最新の研究報告を拝聴する貴重な機会。



ここ数年で医療分野、介護分野とぐっと距離が縮まった香りの世界。
しかしながら、マスコミ等が誇張に近い表現で世に広める動きを制止するため
研究をすすめる各専門家たちは、より慎重に動いている。




「アロマ薫る◯◯」「消臭用・香る〜」
CMや陳列棚がそんな言葉で溢れかえっている今
何を持ち、大切なことをどれだけ伝えていけるのか。

一度ついたイメージは根強い。
日本における精油やアロマテラピー(セラピー)の位置づけは揺れ動き
どこへ進むべきか、何を成すべきか、それぞれが足踏みをしている。


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様々なストレスを生み出す現代社会において
香りが果たす役割は大きい

この進歩した現代科学をもってしても
未だ解明されない部分が多い 香りの世界

その人知の及ばない世界に
なんとかして手を伸ばし
恩恵にあずかろうとしている私たち

ひとつはっきり感じたのは
強力な効能を持つ医薬には出来ない
「癒し」という仕事が
植物の香りには出来る、ということ

たかが癒し、されど

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成分分析、臨床に基づく膨大な研究データに関する説明の一方で
「病は治療のみではない」
きっぱり述べられた言葉が胸に残る。


アロマセラピーの、その先へ。
自分のなかに新たな捉え方が
またひとつ、生まれつつある