2016年7月29日金曜日

手のひらの中の世界・つながる場所


「なんか、面白そうですね」
「一体、なにつくるの」


色々な方からそう言われた、夏本番のイベントは
兵庫区にある「北の椅子と」さんで


北欧ヴィンテージ家具が並ぶその隣に
古くからある材木場
時折漂う、削りたての木々たちの香りが
大切に保管された椅子たちを包み込むようで


いつか、ここで木にまつわるワークをしたい
そう思って随分経った


たくさんの方の手を借りて
イメージが現実になる


家具工房からやってきた切れ端「木っ端」と
神戸「山羊堂」さんのハーブたち

薬草、という言葉がしっくりくる
力強い茎 伸びやかな葉 美しい小花


葉をそれぞれにちぎってみると
強くさわやかな、鼻孔をくすぐる
それは
脳の奥深くに刻み込まれる 夏の香り


「創造的であること」は、
日常生活で求められることは少ないかもしれないけれど

日々の繰り返しから抜け出して
自分を見つめ直す大切な作業


その入り口はきっと
「面白そう」と興味が湧く瞬間から


受動的なイメージのある「癒し」は
ただ待っているだけで得られるものではなくて

自らの手を使い つくり上げる達成感や
出来たものを 誰かと共有する喜び


それらが奥深い満足となり
何よりの癒しにつながってゆく


連綿と続く日々の中で
意識して立ち止まり
此処ではない別のところで
今の自分を客観的に見つめる


そんな場所と時間があれば
人生はきっと より豊かな 味わい深いものになる


蓋を開ければそこに
自然を感じる自分だけの
手のひらの中の世界


ご参加いただいた皆さま
お話できた皆さま
ありがとうございました
巡り会えたしあわせに感謝して
このご縁がゆるやかに続いてゆきますように


自然の香りを感じる
その瞬間が
たくさん訪れますよう

素敵な夏を


2016年7月20日水曜日

EAT LOCAL KOBE 2016〜つながる人々〜

強い陽射しが照りつけ、神戸は梅雨明けした模様。
雨も好きだけど、夏の入り口はわくわくする。


連休初日の土曜日、以前より気になっていたイベントへ。


朝一番で行った東遊園地。
震災復興のモニュメントがあり、冬にルミナリエが開催される場所。


今は夏の木々たちに囲まれ、綺麗な芝生が広がっていた。
車が行き交うアスファルトだらけの街の真ん中で、安心して遊べる市民のオアシス。


「見て!せみさん」
抜け殻があちらこちらに。
もう夏本番なのだなぁ。
ゆっくりと、順番に見てまわる。



「今朝、採ってきたんですよ」
目にも鮮やかなピーマンの緑、トマトの赤。
西区のオーガニック農家さんは
可愛い手描きの黒板、お日さまみたいな笑顔。


綺麗な土で育ったしあわせな野菜たち。
夏の食卓にぴったりのスパイスセット。
手でちぎると、ピカピカの葉からピリッとした香りがする。


植え込みの端にちょっと腰掛けて、
淡路島「なるとオレンジジュース」で乾杯。
甘酸っぱさが口の中にじゅわっとひろがる。


北区のガーデンレストランから
ぴんと皮が張った濃紫のブルーベリー。
新鮮な国産のものに巡り合うしあわせ。
素敵な「ブルーベリー基金」に参加して、こころがあったかくなる。



フレンチシェフが目の前で作ってくれたクッキーサンド。
つぶつぶしたナッツの食感とドライフルーツの甘味が交互にひろがる。
口いっぱいに頬張って「おいしいねぇ」。
クリームが白ひげになっても、誰も気にしない?



巨大なガラスボールにぎっしりのスペアミント。
ハーブ専門農家さんの、独特の語り口に惹き込まれる。
フレッシュな香草たちがずらりと並ぶバケツ。
しゃがみ込み、手で触れ、顔を近づけて芳香を確かめる。
「ママ、いつまでいるの?」
娘にあきれられながらも時間を忘れ、それぞれの香りを愉しむ。



結局、最後は人なのだと思う
そのつながりなしでは続いていかないし、
大切なものは何も残らない

「ほんとうの贅沢」は、心が豊かになれるものを選ぶこと。
そして自らの手で、自分らしい形に仕上げること。

速攻で手に入るものや、使い捨てても心が痛まないものから
奥深い満足を感じることは難しい


 使うもの、口にするものの背景に
作った人の顔や想いが見える
使う人、食べる人の顔や想いが
作る人の心や手に届く

実現することが難しいように感じる「持続可能な循環型社会」は
実はとてもシンンプルで
一歩踏み出せばすぐそこにあるもの
なのかもしれない


価値ある消費は
未来への投資

与えられる時代から、選びとる時代へ替える
心の満足と本当の意味での豊かな生活環境は
私たちの手と足で、創り出したい



夏:7月16日(土)~ 9月17日(土)  全10回
秋:10月8日(土)~ 12月24日(土)  全10回
SATURDAY  FROM 9:00AM  TO 12:30PM

※他のイベント等との調整や天候により変更の可能性があります。
* 神戸産の農産物・加工品の販売が中心となっています。
*エコバックなどを持参してご来場ください。

2016年7月14日木曜日

ほんとうの贅沢〜作り手と使い手をつなぐもの〜

7月に入って、急に蝉が鳴き始め 蒸し暑い日が続く朝。
大好きな露草の花が今年も咲いていることに気が付いて、来る夏を肌で感じる。


「お茶と香りを愉しむ会」は、貸し切りのカフェで。
ゆったりと 漂う香りに身を委ねる 特別な日常。


熊本にある「ネローラ花香房」さんが
甘夏ミカンからネロリ原料を採取していると知ったのは一年前の春。
被災され今なお余震が続く熊本の地を応援する意味も込め、今回ご紹介したのはこの「国産甘夏ネロリ」。


何よりも、上質なネロリ精油が日本で生まれていることを伝えたくて。

花の採取ができるのは、ゴールデンウィーク前後の約5日だけ。
人の手がうんとかかる花精油。
いつかその「甘夏ネロリ花摘みツアー」に参加したい。


ひと玉、ひと玉を丁寧に「エコネットみなまた」の方々が絞られたという
甘夏みかんジュース』。
口に含んだ途端広がるやさしい甘みと酸味、ほんのり残る苦み。
滋味深い、という言葉がぴったりの心と身体に沁みわたる味。


食品にも使用可能な『甘夏ネロリエッセンス』を
自分たちの手で夏向きのジェルローションに仕上げる。

オーガニック甘夏ネロリが生み出された土地「水俣」の歩んできた歴史、そこに暮らし生産に携わる方々に理解を深める時間。

こんなにも香り高く、良質な果実と香りを生み出すためにかけられた、人の手や努力や想いが 少しでも伝わりますよう。

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 第二部は季節のフルーツ「桃」を使ったスイーツ。
店主のデモンストレーションの後
桃パフェ作りに挑戦。


配合を自分好みにアレンジ出来るのは
やはり手作りならでは。


綺麗に盛りつけるポイントや器選びの視点など
なるほどと思うところがたくさん。
最後にレモンの風味が効いた特製スコーンを乗せて。


上手く出来た!かな?
ベルガモットの香り漂うアールグレイの紅茶と一緒に。

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「ほんとうの贅沢」は、心が豊かになれるものを選ぶこと
そして自らの手で、自分らしい形に仕上げること

生み出すのは人の手で
つないでゆくのは人の心

香りの枠を越えて
新しい価値観を創り出したい

日々の諸々について見つめ直す時間を共有できた皆様に、心から感謝して