2014年8月23日土曜日

夏の想い出2014 #2 〜日本産アロマの森『オークヴィレッジ』を訪ねて(後編)〜

〜前編・中編よりのつづきです〜

「精油の抽出所を見せてあげるから、明日またおいで」


 昨日yuicaの方に 光栄にもそう言っていただいた私は、緑あふれる『カフェ・リトルオーク』で寛ぐ子どもたちをしばし夫に頼みミニアロマツアーへ。
 
 一向に止む気配のない雨の中 傘をさしながら「お盆の時季にこんなに雨が降るなんて初めてですよ」「やっぱり気候が急変しているのかな」などスタッフの方と話しながら、抽出所へと案内していただきました。

 ヴィレッジ内にひっそりと佇む建物。看板もなく、知らなければ気付かずに通り過ぎてしまいそうな所に精油抽出所はありました。 
 「どうぞ」と迎え入れてくださったのは専務の北川さん。「ちょうど今、(精油が)出てきたところだよ」
 本来ならばツアーの期間中だけ一般公開されるこの場所に、特別にそうっと入らせていただきました。

 北川さんによると「うちはまだまだ小規模だからね」とのことでしたが、私は目の前にずらりと並ぶ稼働中の抽出機に圧倒され、何度も改良が重ねられているというそれらから目が離せませんでした。

 
 丁寧に手入れされた蒸留機からはシュワシュワと音が聴こえ、その先につながれた小さなガラスの抽出機には、一滴一滴、ゆっくりと樹木の精油が抽出されていました。
 穏やかに、でもしっかりと漂ってくるクロモジ(黒文字)の香り。採取した数kgもの原材料から数グラム(数ml)の精油しか製品化できないとの説明に、仕事柄その採油量の希少さを知ってはいたものの、大きなタンクを目の前に気が遠くなる思いでした。
 こんなどしゃ降りの雨の日にも(この後、オークヴィレッジのある高山市清見町に避難勧告が出されました)行われる地道な作業があって初めて、良質な国産精油が生み出されていることを知りました。

 お写真を撮らせていただいてもよいでしょうか…?製造現場の撮影を遠慮がちに尋ねると 「隠すようなものは、何もないから」とご快諾いただきました。
 
 
 ぽとん、ぽとんと滴り落ちる美しい精油は、ピュアな植物たちのエッセンス。それはまるで、春のあたたかな陽射しが溶かす雪解け水のようにキラキラと輝いていました。

 自然のあるがままを受け入れ、採り入れ、手入れしてゆく。
 何も足さない、何も引かない。
 森の恵みに感謝して、活用し、また森へ還す。


 自然の摂理にじっくりと寄り添い、新鮮な森のエキスを抽出する神聖な作業。 森は人間が手入れすることにより、活き活きと輝きを増す。間伐材の枝葉などを再活用して採られる森の精油たちは、人間たちをはじめ自然界で生息する諸々にもやさしく、まさに「癒し」が凝縮されたもの。

 エッセンシャルオイルの小さな瓶の中に、私たちが目指すべき「循環型社会」への大きな希望が詰まっている。変化し続ける時代の中でも持続してゆくことができる、人と自然の新しい共生のカタチ。
 「贅沢な趣味」「お洒落なもの」と捉えられることの多いアロマや精油のイメージを払拭するyuica
 植物たちのピュアな香りが持つ 遥かな可能性を全身で感じた、素晴らしい体験でした。

 専務の北川さま、貴重なお時間とお話を有り難うございました。
 アロマテラピーに携わり自然を愛する一人として、これから先 自分に何が出来るかを模索してゆこうと思っています。

「森の案内人」北川専務
淡々とした語り口からも、
自然や木々たちへの愛情が伝わってきます

2014年8月21日木曜日

夏の想い出2014 #2 〜日本産アロマの森『オークヴィレッジ』を訪ねて(中編)〜

   〜前編のつづきです〜

 雷とともに降り続く雨の不安な夜を越え、朝を迎えました。昨日あんなに澄んで綺麗だった小川の水が、今朝には茶色く濁り 水かさも随分と増している。「無事でよかったね」と私が言っても我が子は「そんなん、大丈夫やって〜」とあまり気に留めてない様子。
 子どもの頃、実家近くを流れる川が氾濫し道がえぐられてしまった光景や、小学校の裏山が崩れ落ちる瞬間を目の当たりにしたことのある私は、自然水害の怖さを子どもたちに伝えました。

 かつて神戸を襲った地震も、各地で起こった集中豪雨による水害も、予測に限界があるという意味では同じ。万一遭遇した際に的確な判断ができるかどうか。それはとても難しいことですが、普段からの心構えと避難グッズ、危険箇所の認識や避難場所の確認などの備えが、やはり大切なのだと痛感させられます。

※今回の集中豪雨による災害で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げるとともに
1日も早い復興をお祈り申し上げます


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 『森のレストラン』での朝食は、シンプルだけれど新鮮なお野菜やフルーツがたっぷりでカラダが目覚める感じ。
 窓から見える木々の緑や雨音、ウッドスピーカーから静かに流れるBGMが、夏の暑さから来る疲れを癒してくれているよう。
 よく見ると、スピーカー部分に「Oak Village × Pioneer 」の刻印が。スタッフの方によると「古いものらしいです」とのことでしたが、艶やかな外観と やわらかくやさしい音が、この土地で人々と自然が育んできた歴史を物語っているようでした。


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  朝食後、前日より製作に励んでいた「木のスツール」仕上げに向かう息子を「ひげ先生」にお願いし、私たちはショールームへ。こちらも木の香りが漂う癒しの空間。大好きな「yuica」コーナーも勿論ありました。


 娘はカーペットの上いっぱいに並ぶ木のおもちゃに夢中!私があれこれと見ている間も、やさしい音が鳴る木工楽器や木馬、森のどうぶつたちが愛らしい積み木などで楽しそうに遊んでいました。

 広い店内を堪能した後、少しだけお買い物をしました。今の自分たちの暮らしに合うものを、実際に手に取りながら、相談しながら。(何を購入したかは…また後日お知らせしますね☆)

 そうこうしているうちに、週末木工修行から戻ってきた息子が完成したスツールを見せてくれました。初めてにしては上出来な仕上がりに、大満足の顔。「自由研究の題材にする!」と張り切っています。
 
 遊び疲れた子どもたちが「おなかすいた〜」というので、隣接する『カフェ・リトルオーク』でランチタイム。敷地内の緑を堪能できるテラス席は、晴れた日の愉しみにとっておくとして…静かな店内で、季節限定のカレーやフレンチトーストなどを頬張りました。


この後はいよいよ「ミニ・アロマツアー」へ。
〜後編へとつづく〜

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2014年8月20日水曜日

夏の想い出2014 #2 〜日本産アロマの森『オークヴィレッジ』を訪ねて(前編)〜

 お盆休み、富山へ帰省した帰り道、ちょっと足を伸ばして高山の『オークヴィレッジ』へ立ち寄りました。前々よりずっと訪ねたいと思っていた理由は、大好きな日本産アロマ『yuica』の生まれた土地でもあるから。
 今年3月に大阪で開催された『アロマフェスタ2014』のyuicaブースで、現地で年に数回行われている「アロマツアー」のご案内をいただきとても興味が湧きました。神戸へ戻ってから何度も問い合わせスケジュール帳とにらめっこしながらも、子どもたちがまだ小さいことと、日程が合わなかった為ツアー参加は当分先になると思っていました。そんな時同じ敷地内に宿泊施設や自然体験プログラムがあると聞き、家族旅行も兼ね現地へ思い切って出掛けました。

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 オークヴィレッジの製品に出逢ったのは十数年前。上質なものを取り揃える『トアロード・リビングス・ギャラリー』さんを覗いた際、ステーショナリー、カトラリーなどの木工製品が展示販売されていました。
 中でも目を奪われたのは、どっしりとした木のテープカッター。プラスチック製のそれに飽き飽きしていた私は、圧倒的な存在感とぬくもりのある手触りの違いに驚き、魅了させられてしまいました。

オークヴィレッジ公式 ONLINE SHOPより
 
 環境保全に関する取り組みも、社会に対する企業姿勢や経営理念も、そして造られる木工品や家具も、すべて「本物だ」と思いました。でも社会人として働き出して日の浅かった当時の私には、それらの製品は時期尚早のような気がして購入出来なかったのを憶えています。

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 アロマを仕事にするようになってからしばらくして、良質な和精油があると耳にするようになりました。
 精油を用いたアロマテラピーの歴史は日本ではまだ浅く、海外での使われ方との違いも多々あります。
 「身土不二」の言葉があるように、日本の土地に根差した植物からの香りは、きっと外国産の精油よりも幅広く、日本の方々に受け入れられる。色々なブランドの精油と香りを試し普及活動を行ううちに、そう実感することが多くなっていたので、国産精油にとても興味がありました。
 『yuica』が、『オークヴィレッジ』の関連事業だと知ったのはついこの間のこと。「好きなもの」と「惹きつけられるもの」がつながった瞬間でした。


現地へ到着すると、敷地内を流れるきれいな川が目に入ってきました。そこここに眩しいほどの緑が溢れ、どんな体験が待っているのだろう?とワクワクします。しかしながら、降り続く雨に若干ひるむ私たち。車で走るには細めの道を「どっち?」「こっちかなぁ」といいながら奥へと入って行きました。

 最初にたどり着いたのは、オークヴィレッジのショールーム前。ちょうどサマーフェア期間中で、大雨にも関わらず家具を見に来場された方たちの車がひっきりなしに出入りしていました。

 イベントに来られた方々が楽しめるよう、入り口近くに色々なブースが用意されていました。そしてなんと「アロマのウッドチップ足浴体験コーナー」が!!
 精油を抽出した残渣(ざんさ)で足浴をするというものなのですが、これが出来るのは抽出所がすぐそこにあるからこそ。アロマツアーの中にも組み込まれていて、 いいなぁ、やってみたいなぁと思っていたのです。

 アロマフェスタでお会いした専務にご挨拶をすると、「今ならまだあたたかいから、やっていったら」と足浴を薦めていただきました。
 最初、枝葉が見てわかるそこへ「えっ、この中に、足を入れるの?」と戸惑っていた様子の子どもたちですが、いざ体験してみると。。。「あったか〜い」「いいにおいがする!」とかなり気に入った様子。年中冷え性の私も、何だかぽかぽかして体全体の血液循環がよくなった気が。
 足浴を終えた後も、さらさらとした感じが心地よく、チップ内にわずかに残っているであろう精油成分をしっかりと感じました。


 スタッフの方に宿泊する旨を伝えると、敷地内でもショールームの反対方向にある「オークヒルズ」に宿泊施設があるとか。すごく広いなぁ〜
 上の子が木工体験プログラムに参加することになっていたため、急いでそちらへ。

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 『OV森の自然学校』は「森」をキーワードとする様々な環境教育プログラムを実施されているところ。子どもたちが自然を体験するイベントが開催されたり、本格的に職人を目指す方々の職業訓練施設にもなっています。


 中でも人気の「木工クラフト体験プログラム」は、「森の宿」に宿泊した人向けの土・日開催のミニセミナー。スツール作りをしたい!と志願した息子は、通称「ひげ先生」の指導の元、週末木工修行へ(笑)。

 後で分かるのですが、寡黙でやさしい雰囲気の「ひげ先生」は、このオークヴィレッジ創設当時のメンバーのお一人。1974年に荒れ地だったこの地を開墾、農家の納屋を借りて家具造りを始められた職人の方でした。
 じっくり、しっかり…「巧の技」をマンツーマンで指導していただけるなんて本当に貴重な体験。カンナやヤスリ、クサビなどの職人道具に触れられる機会も都市部ではそうありません。

 私たちは下の子を連れ「森の宿」へチェックイン。荷物をほどいて、お風呂へ。森の緑が見える大きな窓、ヒノキの浴槽。そして中のお湯は精油を抽出した後に残る「アロマウォーター」!


 「水蒸気蒸留法」と呼ばれる精油抽出法で、採油した後の水分を「芳香蒸留水」と言います。別名「フローラルウォーター」とも呼ばれますが、ここでは樹木の精油がつくられているため、さしずめ「ウッディーウォーター」といったところでしょうか。なんて贅沢☆
 真夏とは思えない程涼しく、クーラーなんて必要ない(実際にない)お部屋でゆったりと寛いでいると、修行の前半を終了した上の子が帰ってきました。「めっちゃ面白い!」と興奮ぎみに、色々とスツールづくりにまつわる話を聞かせてくれました。

お夕飯は「森のレストラン」にて。こちらではお食事の美味しさに感激。自家菜園で収穫されたいんげんやズッキーニ等のお野菜は本当に瑞々しく、味わい深いもの。コロッケや海老フライなどもありましたが、こんな美味しいバイキングは初めて♬

 お料理されていた方々のおもてなしの気持ちは勿論、澄んだ空気と水の綺麗さ、土壌の豊かさが味覚を通して伝わってきました。

 食べ終えた子どもたちは早速、上の階にある「絵本&おもちゃコーナー」へ。私たち大人は地ビールやワインなど愉しみながら、時々様子を覗きにいったりしました。


 ああ、なんて素敵なのでしょう。当然、子どもたちは大喜び。他の宿泊客のお子さんたちとも意気投合したらしく、一緒に楽しく遊んでいます。

 奥には大人向けの蔵書コーナーもあり、オークヴィレッジ創設当時に発行された本や、自然環境保護に関する書籍、セラピー関連のものもありました。


 窓から覗く深い緑も、控えめに施されたダウンライトも、夏の夜を味わうためにあるかのような場所。親切なマダムの「貸し出しもできますよ」とのお言葉に甘え、何冊もお部屋に持って帰りました。


 外はまだ大雨。雷が鳴り響き、大丈夫かなぁと心配になりつつも
寝静まった子どもたちの寝顔を見ながらしあわせな読書タイム。
ゆっくりと夏の夜は更けていきます。

〜後編につづく〜

※この記事を書いた後、日本各地で集中豪雨による災害が相次ぎました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます


2014年8月18日月曜日

夏の想い出2014 #1 〜PIANO & CAFE& AROMA CONCERT〜

 少し早めのお盆休み。関西の蒸し暑さを逃れて、富山へ帰省しました。大きな自然が地上の熱を吸収してくれるからなのか、真夏の朝晩はとくに涼しさを感じます。プールやアスレチック、花火。。。子どもたちに付き合う名目で(?)私も今年の夏を存分に満喫。


 夏休みに毎年必ず家族で立ち寄る大好きな場所があります。「見る」「作る」「味わう」「感じる」をテーマにした7つの館がつながった複合施設『なないろKAN』です。
 広々とした歴史公園で子どもたちと一緒に遊んだり、勾玉(まがたま)ネックレスなどの製作を楽しんだり、朝市で新鮮なお野菜やフルーツを購入したり…神戸へ持ち帰るお土産と、自宅用に風鈴などのガラス工芸品や日常使いの焼き物を探すことも。

 このなないろKANで開催される夏のイベントの一つに「ピアノ&カフェコンサート」があります。ドイツ在住のピアニスト柳瀬敦子さんの素敵な演奏と、カラダにやさしいお菓子やさん「ナチュラルスイーツ ぽんぽん」さんのスイーツを楽しめる人気のイベント。
 今年3年目となるこのコンサートで、私の故郷でもあるこの場所で、今回ご縁があり「香りのプロデュース」をさせていただきました。 

 最近はコンサート会場や映画館、プラネタリウムなどで、作品のイメージに合わせた香りが焚かれることも増えています。今回はカフェコンサートだった為 ピアノの演奏と美味しいスイーツを邪魔せず引き立てるものにすることが、精油のブレンドを構成し演出する上での重要な課題となりました。

 3部構成だったため、各部の演目や流れに添った香りのブレンドを3つ、製作しました。
 ドイツでご活躍中のピアニスト柳瀬さんにちなみ、ドイツの精油メーカーのものを中心に日本産のアロマなど、良質なオーガニック精油を15種類ほど厳選し使用しました。

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 最初にご用意したのは、会場入りしたお客さまをおもてなしする「ウェルカムアロマ」。ご来場の際にふわっと香りますが、その後はすっと消えて気にならなくなるような配合をしました。暑さを忘れさせてくれるような爽やかな香りを中心にしたブレンド。


 司会進行役を努められたのは、横浜で人気のフリーアナウンサーの土井里美さん。瞬時に場の空気を読み、盛り上げたり、和ませたりするプロフェッショナルな司会に感動。
 私が一般の方々に分かりやすいようにと準備したアロマテラピーに関する案内も、快く引き受け丁寧にご紹介いただき、とても嬉しく有り難かったです。

 台風が来ていたため外は大雨で少しざわついていましたが、ナチュラルな雰囲気で素敵な柳瀬さんが現れると、会場は一気にピアノコンサートの雰囲気に。
 シューマンの「アラベスク」から始まり、リスト、ベートーベンへと続いてゆく演奏に身を委ねて、じっくりと音色に耳を傾けます。ピアノコンサートを聴きに来るなんて、何年ぶりかなぁ?私も仕事の傍ら、とてもしあわせな気分になりました。

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 第2部はカフェタイムの賑やかなひとときをイメージした香りにしました。食欲を刺激し、明るく和やかな雰 囲気でスイーツと会話を楽しめるようなものに。

 耳なじみのあるディズニーの映画音楽やカーペンターズなどのBGMがピアノの生演奏で流れ、スイーツは地元で収穫された新鮮なりんごや桃(大好き!)を用いて作られた「青リンゴ・スター」「ピーチメルバ」…何とも贅沢なひとときです。


 
 途中サプライズでビートルズナンバーの演奏もありました。ピアノとベースのセッションはとても愉しく、クラシックなものとはまた違う魅力が。
 「In my life」「Let it be」「Yesterday」「Hey, Jude」…有名で人気のある曲がたくさん流れます。
 ロックというよりポップな雰囲気で、軽やかなメロディに会場の皆さんの笑顔もほころびます。
もうひとつ、中国のバイオリンと呼ばれる「二胡」とピアノとの合奏もありました。弦が2本のみというシンプルな楽器から紡がれる、柔らかくやさしい癒しの音色。
 演奏された曲は「少年時代」…同名の映画が撮影されたこの土地で、ピアノと二胡の音色にのせ甦ってくる記憶たち。
 印象的だった舟川べりの桜並木は、今年公開された「春を背負って」という映画でも再度注目され、満開の桜を見物する人たちでいっぱいになったとか。



 過ぎ去った少年少女時代は戻っては来ないけれど、故郷の自然は今もそこに在り、見守ってくれている。大きな窓から臨む美しい景色や、次々と滴り(したたり)落ちる雨粒を時折眺めながら、沁み入るように透明な演奏をずうっと聴いていたい…そんな風に思いました。


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 最後になる第3部は、ミュージックアロマと題してヒーリングをテーマに演出をしました。夕方のひととき、演奏者とお客さまが、よりリラックスしつつ集中して曲中の世界に心地よく入ってゆけるような香りのブレンドを。

 コンサートは大成功。アンコールもあり、心もお腹も満たされる盛りだくさんの内容で、たくさんの笑顔が溢れた素晴らしい時間でした。


 今回ご一緒させていただいたチーム朝日の皆さまには、とてもよい刺激をいただきました。皆が無理のない形で、それぞれの得意分野を活かし、地元を盛り上げてゆこうという団結力はとても魅力的。
 行政任せにせず、自分たちで住む場所をより良いものにして行こうとする「地域力」。都市部のそれとは真逆の流れに、人と人、個人と社会との新しいつながりが生まれつつあることをしっかりと感じました。
 今いる場所に責任を持ちながら、自分も周りも大切にしてゆく、元気にしてゆく。当たり前のようで凄く大変なことを、皆と楽しく分かち合えたなら…何て幸せ!


 香りでの演出をサポートしてくださった総括役の坂東さまはじめ実行委員会スタッフの皆さま、なないろKANの皆さま、本当に有り難うございました。そして快くアロマを受け入れていただいた柳瀬さん、ぽんぽんさん。素敵な演奏とスイーツを有り難うございました。今後益々のご活躍を楽しみにしております。


 これから先、どんな未来が待っているのだろう。どんな風にでも生きてゆけるけれど、それはきっと、やっぱり自分たち次第なのだなぁ~
 これからも「自分らしさ」を大切に、「笑顔の瞬間」を増やすために、私に出来ることを探してゆきたいです。


2014年8月4日月曜日

SPECIAL Summer Family Aromatherapy Workshop 〜ホンモノそっくりの「スイーツ&フルーツ&プランツ石けん」をつくろう!〜  


 夏。強い陽射しが照りつけ、蝉がじりじりと鳴く季節が来ました。
 私も家族も大好きな桃が、毎日のように食卓にのぼっています。朝起きて、もしくはお風呂上がりに「ももちゃん、むいて〜」と子どもにせがまれます。
 剥き(むき)係の私はその都度手がべとべとになり、ちょっと面倒ではあるのですが、手を洗った後に残るほのかな香りも好き。
 「おいしいね〜♡」つやつやのピーチを子どもたちと一緒に頬張るのは至福のひととき。どんなに人工香料が発展しても このフレッシュでやさしい香りは真似できないだろうなぁ、なんて思いながら。
 
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 先週は夏休みのアロマワークショップでした。
 
 今年はより気軽にご参加いただけるよう日程の幅を広げて開催したのですが、なかなかハードな一週間。
 連日の猛暑のなか「疲れてません?大丈夫?」と周囲から心配されつつも(笑)、仕事を名目に毎日カフェ通いできるのは結構シアワセ。
 下は4歳から上は中学3年生そして大人まで、お暑いなか本当にたくさんの方々にご参加いただき、とても充実したイベントとなりました。


 テーマは…ホンモノそっくりの「スイーツ&フルーツ&プランツ石けん」をつくろう!
 粘土のように扱える石けん素地に、ハーブやココアパウダー、抹茶など天然由来の着色料で色や香りを着け、コネコネして、実物や見本を見ながら本物そっくりに作りあげます。

 
 今回の材料選びについては、かなり迷いました。
 石けん素地の持つ色や香りに、ハーブパウダー本来のナチュラルな色合いや、ほのかな香りはどうしても隠れてしまう。
 食品添加物として出回っている食紅やエッセンスなども候補に挙がったものの、市場に出回っているものは人工的に作られたものが多い。
 天然由来のもので、可能な限りその安全性が確認されているもの。あちこち探しまわり、色々なサンプルを製作しながら、使用材料の取捨選択をしました。

 工作の目的もあったため色持ちが良く鮮やかな顔料(手作り化粧品に使用されるもの)もご用意しましたが、ハーブなどナチュラルパウダーの色が退化し少しずつ褪せてゆくさまも「自然の摂理」として子どもたちに体感して欲しいと思いました。
 よってご用意した種類はなんと17種類(!)。ナチュラルさ、効能、色彩…を、日常使い用、工作・展示用等それぞれの目的に合わせて素材を選んでいただく形となりました。


 まず最初に、ハーブや自然界のものに興味を持っていただけるよう簡単なワークを。実際のパウダーを手に取り、色や香りを体験してもらいます。
 ちょっとお勉強みたいになって、子どもたちには退屈かな?と思っていたのですが。。。何から出来ているのか原料となるものの写真を見たり、なぜこのような名前がついているのか?などの説明に興味を持ち、一生懸命メモを取ったり、真剣に話を聞いてくれたりして、とても嬉しかったです。

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 そしていよいよ実習タイム。

 夏休み中もドリルやプリント等の学校の宿題、夏期講習での勉強で左脳を使う事の多い今の子供たち。香りを嗅ぎ、手を動かし、感触を確かめながら形を創ってゆく作業は、右脳を心地よく刺激してくれます。


 最初は「う〜ん」「何をつくったらいいの?」と考え込んでいたみんなの顔が、作業が進むにつれ「次はあれを作ろう!」「やっぱりこの色にする!」どんどん生き生きとした表情に変化してゆきます。


 隣で保護者の方が話し掛けるも、お子さんたちは上の空(笑)。作品作りに没頭する様子が何とも微笑ましかったです。

 
 
 
 生まれたて2ヶ月のベビーちゃんもお兄ちゃんの見学(?)でご参加。ママがご自分用の石けんを製作中、ちょっとだけ抱っこさせていただきました。3歳になった我が家の下の子に比べて、なんと軽いこと!…小さな可愛い足を、初ご参加の記念にぱちりと撮影。


 今回の主役は子どもたちでしたが、見守り隊の大人の方にも楽しんでいただきたくて、ささやかなプレゼントをご用意しました。
 小さな封筒をサッシェにし、お好きな精油をコットンに滴下しお持ち帰り。「こんなに簡単に香りを愉しめるのですね〜家でもやってみます!」と仰る方もいました。

 
 また、お子さんの手に触れる石けんには精油を配合しなかったため、箱の中にコットンと共にお好きな香りを入れていただきました。前回のイベントに引き続き今年もご参加いただいたお子さんは「前はレモンだったから、今日は違う香りにする」とお母さまにリクエストしていました。



 完成したオリジナル石けんは、作ったその人そのもの。豪快だったり、繊細だったり。カラフルだったり、シックだったり、ユニークだったり。
 たくさんの素敵な作品たちは、Aromerrier FB ALBUMへ掲載させていただきます。(どなたでもご覧いただけます。)それぞれの個性とセンスが光っている力作ばかり。コメントや裏話も載せていますので、是非ご来観ください^^
 


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思い思いに表現する子供たちの瞳は
夏の夕焼け空と同じくらい、キラキラと輝いていました。
夏休み ご家族やお友達と「好きなもの」を一緒に作った楽しい時間。
ほのかな自然の香りとともに、そっと記憶に残りますように


 ご参加いただいた皆さま、有り難うございました。
どうぞ素敵な夏休みをお過ごしくださいね。
また素敵な笑顔にお目にかかれる日を 楽しみにしています。