2015年12月24日木曜日

香りのじかん「冬仕度」〜北の椅子と時の香り〜

雨上がり、ゆっくりと冬の足音が聴こえてくるような年の瀬。


 クリスマス前、冬休みに入る前に「冬仕度」を。
 兵庫区にあるあたたかなカフェ「北の椅子と」さんにて香りのイベントを行いました。


 この日はちょうど、冬至。
 yuicaアイテムは、ほのかに香る柚子と一緒にディスプレイ。


 店内には、北欧の長く暗い冬を愉しむための美しいランプたち。
 ひとつ、ふたつと灯すことで、心にもスローな時間が流れていくよう。


 大切にされたヴィンテージ家具や食器に囲まれていると、時が経つのを忘れます。
 使い捨てが当たり前になっている日本で、メンテナンスされ受け継がれる北欧のものたちの、深い息吹が聴こえてくる。


 国産杉の間伐材を用いて作られたアロマスティック。
 小振りですが、さりげない佇まいがいい味を出していて、今回のイベントに採用しました。
 森林を手入れする=「間伐」することで得られた材は「間伐材」と呼ばれ、有効活用していくことで豊かな森林が育まれます。
 森林面積率(国土に対しての森林の割合)は、北欧フィンランド、スウェーデンに次いで3位の日本。
 国土の67%が森林で、豊かな水も綺麗な空気も生み出す自然がこんなに身近にありながら、そのことに感謝する意識がどんどん減っているように感じます。
 

 あれこれと準備をしていると、ワークテーブルに淹れたてのコーヒーが置かれていました。湯気と共にあがってくる、芳ばしい香り…お気に入りの本を眺めながら、お伝えしたいことをまとめます。

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 お馴染み「森のディフューザー」も、12月はクリスマス仕様に。ユーカリ・モミ・ジュニパーの「香る木々たち」で作った簡単なリースでアレンジしました。


 「リードディフューザー」は火や電気などの熱源が不要な、安心でエコなアイテム。
 ナチュラルなものは意外に少なくて、自分好みのものを見つけるのは結構大変。
 価格もさまざまですが、デザインと質がよいものにはちょっと手が出せないことも。
 
 そのようなことも踏まえ今回のイベントでは、Aromerrierがセレクトした国内外 たくさんの上質な精油の中から、出来るだけ自由な感性で、じっくりブレンドを考えていただきました。


 いちばんの人気は、クリスマスの時節柄か、樅(モミ)系の香りでした。 
 「北海道モミ」と呼ばれるトドマツのどっしりした深い香りと、飛騨高山産モミのフルーティーで軽やかな香り。
 他に北海道産の「ハッカ」や「ラベンダー」、高知産の「ショウガ」、奈良産の「こうやまき」など。
 身の周りに自生し繁殖・栽培されていたり、寺院の建造に使用されていたりする香りたち。
 国産の精油は日本人の私たちに嫌みなく、すぅっと馴染む香りがとても多いのです。

 懐かしい、何処かで嗅いだ憶えのある…
 奥深くしまい込み、忘れたと思っていた記憶がよみがえってくる。
 「あぁ、そうだ、あのとき」

 それはもしかしたら、幼い頃の自分かもしれないし、この土地のDNAを引き継いだ者としての感覚かもしれない。
 時間も空間も飛び越えて、今の自分を救い、慈しむためのチカラをくれる。
 そんなとっておきの香りとの出逢いを、心から愉しんでいただきたいと思います。

 
 生後6ヶ月から来てくださっている、かわいい生徒さん。
 目をキラキラさせて、色々なものを触ったり、投げたりして遊ぶ姿。
 もうしっかりと歩く様子に、流れる時を感じます。


ご自宅に置かれる場所を考慮しながら、プレゼントされる方をイメージしながら。
それぞれの目的に添った香りを、効能から、直感からゆっくりセレクト。
勿論、ご質問への回答やアドバイスが必要な際はしっかりサポートさせていただきましたが、イベントの主役は参加者の方々。私は見守り役です。


どの方も、素晴らしい冬ブレンドが完成。
この小さなアイテムが、「冬を愉しむ」相棒となりますよう。

ご参加いただいた皆さま、お時間をつくりお越しいただき本当にありがとうございました。
またお目にかかれる日を、心から楽しみにしています。


〜 Merry Christmas 〜
素敵なクリスマスを