場所は、大阪府枚方市にある摂南大学
実は、乗り継ぎや乗り換えが苦手な私。
梅雨の合間の晴天、紫外線指数は最高。
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京阪バスに揺られて集合場所のキャンパスに到着すると、係の方にパンフレットとネームホルダーをいただきます。
案内して下さったのは大学教授OBの方。麦わら帽を被り、ユーモアたっぷりに色々と教えていただきました。ここをまたぐと京都府です、と指さされた溝を乗り越えいざ出発。
園内の入り口すぐ、2~3mほどの高さの木を指して「ジュニパーベリーです」
ジン(お酒)の香りづけに用いられるというこの植物。いまこの季節にしか、実際に実がなっているのを見れないとのこと、果実を少し分けていただいて
開園の1983年以来、除草剤をまいていないという植物園は、より野生に近い状態で植物たちが生育してるよう。ちょうちょがひらひらと舞う姿を見ながら耳を澄ませば「ほ~ほけきょ」。「ウグイスが歓迎してくれていますよ」と言われて何だか嬉しくなりました。
『薬用』と名の付く植物園だけあって、成分が重要な医薬品となっていても一般には有毒植物として扱われているものも。「これは触らないで」と何度か説明がありました。アスピリン(薬)の成分を含む西洋シロヤナギの木もありました。
たくさんの植物たちを見る中で、私の印象に残ったのは、ダイダイ。高級精油「ネロリ」の原料となるミカン科の木です。いつもは写真で見るだけのネロリを、美しい花と芳香、たわわに実がなる様子をみて、感動。
教授や学生さんが、「めったに見れない、ラッキーですね!」とおっしゃったので、何かな?と目をやると背の高い木。タイサンボクの大きなつぼみと開いた花を見つけて、こっそりなでなでしてみたり。
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園の周囲に広がる京都八幡の立派な竹林をくぐっているとき、育った故郷の裏山を思い出しました。合間からこぼれる日射し、鎮まる喧騒と空気の綺麗さ、小鳥のさえずり…。甘酸っぱい野イチゴの実や桑の実が大好きで、友達と一緒に探して周った幼いころ。森林浴での樹木の香りが、そこにある空気感が、色々な記憶を運んで来てくれました。
途中、教授より「大気中の二酸化炭素の量はどのくらいかご存知ですか?」との質問が。説明によると、産業革命以前は280ppmだったのが現在では400ppmにまで増え、竜巻や土砂崩れなどの自然災害も規模が大きくなっているそう。
人類の営みの負の影響が出てきている今、『point of return』と呼ばれる取り返しのつかない地点はもうすぐだ、との言葉に身に詰まり考えさせられるものが。
私たち人間がしてきたこと、していること、すべてを受け入れて、自然界の生物たちと共に生きてゆく新しい術を身につける必要性があるのだ…そんなふうに思いました。
炎天下、少々バテ気味になり帰宅。クールダウンしながら、お土産にいただいたマローブルーを活けました。見事な紫色。とっても綺麗に咲いているこの花を愛でたあとは、乾燥させてハーブティーでいただこう。そんなことを思いながら、この日体験した、たくさんの貴重な出来事を振り返ったのでした。