2016年4月28日木曜日

お茶と香りを愉しむ会 〜春〜


 二十四節気でいう「穀雨」の頃、その名にふさわしく春の雨が降ったり止んだり。
 植物たちにとって、また作物を育てる方々にとっても恵みの雨となるのですが、気圧が下がりどうも調子が優れない…何だかしんどい…と疲れ気味の方が多い気がします。
 ぐんぐん伸びる若葉のさみどり色、いっぱいに浮かぶ雨粒たち。目と心に沁み入るような、この季節だけの美しさ。


 久しぶりのcafe SPARKさんでのイベント。
 「お茶と香りのコラボレーション」をコンセプトに、そこに流れるゆるやかな時間を愉しんでいただく会を催しました。


 テーブルコーディネートにも、心を配ります。参加者の方々に「日常の中の非日常」を味わっていただく為、相談しながら季節感を味わえるようしつらえました。

 
 春の会にピックアップしたのは、春から夏に向け生育するラベンダー。今は街中でもちらほらと見かけることが出来ます。その品種は多く、日本に伝わったのは19世紀初頭と言われ、我が国で本格的に栽培・精油の蒸留が始まったのは今から80年近く前。

 
 現在の日本におけるラベンダー精油の主要な産地・北海道の上富良野から取り寄せたものは「ファーム富田」さんの「ラベンダーオイル」と「ラベンダーおかむらさき」。その他海外からもさまざまな産地やメーカーの上質なラベンダー精油の香りを体験し、ラベンダー栽培の歴史や種類、成分などから理解を深めていただきました。
 

春にちなんだ、香りにまつわる言葉もいくつかご紹介。「暗香浮動」や「花霞」など、古(いにしえ)の時代から続く 四季を愛でる繊細な感性を大切に、美しいことばの響きを味わっていただきたくて。


 また初の試みとして、香道における香席で行う「組香」からヒントを得た「かおりくらべ」のアクティビティを行いました。お作法や所作の簡単な説明をし、日本の香道と舶来のアロマセラピーを融合させたオリジナルの遊び。私が創作したものですが、愉しんでいただけたでしょうか。


 製作物は、香りのロールオン。手軽に携帯出来て気持ちのスイッチを切り替えるのに最適なアイテムですが、使用するキャリアオイルや精油次第で、火傷や傷跡のレスキューアイテムとしても活躍してくれます。


 お馴染みyuicaのライスキャリアオイルをベースに、スペシャルケア用の色々な植物オイルを足しお好みの精油で香り付け。皆さん悩みながらも、あれこれ試しながら自分仕様のものを製作されていました。


 後半は「春のアフタヌーンティー」をテーマにゆったりとティータイム。お紅茶は、スリランカからSPARKのオーナーさんが直接持ち帰ったピークシーズンの茶葉たち。ストレート向き、ミルクティー向き、どちらもOKなもの。それぞれに魅力的。


 お供には京都 霜月(そうげつ)さんの琥珀(桜の花びらと木の芽)と、神戸 ラヴニューさんのラベンダー&ブルーベリーの紫色が綺麗なケーキ。かりっとした干菓子の食感、しっとりとしたチーズスフレ…それぞれに味わい深くて、たまらなくしあわせ。

 現地での茶摘みやアーユルヴェーダ体験などの興味深いお話を伺いながら感じたのは、お茶と香りの懐(ふところ)の深さ。
 大切な人をもてなす心はどちらの世界にも通じるものがあり、また自分自身の為にも「お茶を淹れる」「香を焚く」ことは、かけがえのないひとときをもたらしてくれる 癒しの時間そのものなのだと。
 連綿と続く日々の中で ちょっと立ち止まり意識を向けるその瞬間が、こころ豊かな人生を形づくることにつながっていくのだと。

 ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
 お茶と香りにときめく時間をご一緒出来たこと、何より嬉しく思います。


 日本の茶摘みに最適な 八十八夜もすぐそこに。
夏も近づく…でももう少し
春を味わっていたいのは、私だけかなぁ?