鈍色の空
たわわに実る赤
時折降るみぞれ混じりの雪
北陸の冬風景
いつも年末年始を過ごすこの場所で
富山のにおいがする と子供たちが言う
それはどんな匂いだろう?
変わらずそこにある神社の階段を上りながら
苔むした石垣の小径を歩きながら思う
それは
雪が降る前の冷たい空気の匂いかもしれないし
まだ土の中で眠るフキノトウの香りかもしれない
いったい
何処までがローカル
何処までが地元?
私にとってのそれは例えば
今居る神戸でもあり
故郷の富山でもある。
どちらも同じように、自分の大切な場所だから。
もしかしたら
何度となく足を運んでいる淡路島や、福井県の三方五湖周辺もそうかもしれない。
もっと言えば
かつての留学先のユタ州の学生街や、一人で旅したバンクーバーの港町、家族とレンタカーで周ったオークランドの郊外も。
そこには年に数回でも、随分と間があいてしまっていても
逢いに行きたい人たちがいて、見馴れた懐かしい風景が広がっている。
地元とは「心の距離」のことを指すのだと思う。
それぞれの愛着や、思い出や、心の風景が或る場所。
それはきっと
何処にあっても いくつあっても いい
タイムトラベルの瞬間
緑があれば
そこに
香りがある
あなたにとってのローカルは
何処にありますか
何処にありますか