2015年5月12日火曜日

人々と木々たちのあいだに

 
 昨日はハーブドリンクの日でした。
 今回はスペシャルに天然酵母「おひまるパン」さんとのコラボレーションとなりました。

 パンとハーブで半分ずつ分け合って、中央のテーブルはとても賑やか!
 ご提供させていただいたブレンドハーブティーには、「ヨーロッパの天使の羽」と呼ばれるリンデンフラワー&リーヴスも入れました。西洋菩提樹の小さく美しい花と、葉脈が羽のように見える大好きなハーブ。
 ランチとセットで注文してくださったお客さまが多く、本当に嬉しく思います。


 イベントの合間、私もパンランチをいただきました。レーズン酵母のモチモチおひまるパン。ヴィンテージの食器でいただく、丁寧に手作りされたコールスローやポタージュスープ…しあわせなひととき。

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 楽しいイベントの一方で、開催場所である「北の椅子と」さんの駐車場前では切ない光景が広がっていました。
 お店の前を流れる兵庫運河で神戸市の港湾工事が始まっていたのです。
 5月晴れの美しい空の下、「重機が入れないから」という理由で切り倒される木々たち。


「ひとつの家庭が9ヶ月新聞紙を古紙回収にまわすことで、高さ20メートルの木を1本切らずに済む」

 何気なく聴いていたラジオからそんな情報が流れる。
 自分たちの10倍以上もの高さの木が1年では生長しないということは、小学生でも容易に想像出来る。
 それなのに、何十年もの歳月をかけて空気を浄化し木陰をつくり、他の動植物たちに恵みを与えてきた木が一瞬で切り倒される現実に、思わず目を背けたくなってしまう。


 店内に一歩足を踏み入れると たくさんの椅子と家具。
 海を渡り大切に手入れされ、次の持ち主へと受け渡される日を待つかつての木々たち。 年月を重ねたものだけが持つ圧倒的な存在感。



 趣味嗜好のイメージが強かった日本のアロマセラピーは、ここ数年で介護や医療分野との距離がぐっと近づいたのを感じます。「生きている限り」心も身体も健やかでいるためには、自分たちも「自然界の一部」という意識を持つことが第一歩となるのでしょう。

 日本の森から生まれたアロマに携わる1人として、国産精油を支える確かな背景と、それらを使用することで生まれる未来への希望を伝えたい。


 木をめぐる 現在、過去、そして未来。

 大切なものは、大切にするからこそ続いていく。
よりよい明日は今の私たちの「選択」と「行動」から。
 
 目に見えない時間に想いを馳せる、そんな一日でした。