2017年1月13日金曜日

往き来するひと 何処までがローカル

鈍色の空
たわわに実る赤
時折降るみぞれ混じりの雪
北陸の冬風景


いつも年末年始を過ごすこの場所で
富山のにおいがする と
子供たちが言う


それはどんな匂いだろう?
変わらずそこにある神社の階段を上りながら
苔むした石垣の小径を歩きながら思う


それは
雪が降る前の冷たい空気の匂いかもしれないし
まだ土の中で眠るフキノトウの香りかもしれない


いったい
何処までがローカル
何処までが地元?


私にとってのそれは例えば
今居る神戸でもあり
故郷の富山でもある。
どちらも同じように、自分の大切な場所だから。

もしかしたら
何度となく足を運んでいる淡路島や、福井県の三方五湖周辺もそうかもしれない。

もっと言えば
かつての留学先のユタ州の学生街や、一人で旅したバンクーバーの港町、家族とレンタカーで周ったオークランドの郊外も。



そこには年に数回でも、随分と間があいてしまっていても
逢いに行きたい人たちがいて、見馴れた懐かしい風景が広がっている。

地元とは「心の距離」のことを指すのだと思う。
それぞれの愛着や、思い出や、心の風景が或る場所。

それはきっと
何処にあっても いくつあっても いい


タイムトラベルの瞬間
緑があれば
そこに
香りがある

あなたにとってのローカルは
何処にありますか